薬剤師をしているけど、薬局勤務と病院勤務とで、どちらを選んだらいいかな?
あなたもこのように悩んでいませんか?わたしも育休から復帰後、どちらの勤務がいいか非常に悩みました。
そんな悩みを抱えるあなたに、この記事では以下の内容をご紹介します。
- 病院勤務のメリット、デメリットとその解決策
- 病院勤務であってもワークライフバランスとキャリアを両立できる
過去に薬局勤務経験があり、現役で病院薬剤師をしているわたしが、ママに病院勤務をオススメする理由をお話します。
薬局に勤務しているママ薬剤師が多い印象を受けますが、この記事を読むことで、ママ薬剤師にとって病院勤務も魅力的であることがわかるかと思います。
病院勤務のメリット
日勤帯の時間は一定
薬局勤務 | 門前の医療機関の閉院時間より遅め |
病院勤務 | 病院の閉院時間にほぼ合わせている |
薬局の場合、門前クリニックや病院の閉院時間より遅めの営業時間にしているため、20:00など夜遅くまでのところがあるようです。そのため、入りや終わりの時間が一定ではないシフトを組む薬局が存在します。
19:00まで開院しているクリニックの門前薬局であれば、その後の患者の流れを考慮して、19:00より遅く開局しているケースがあります。
病院の場合、その病院の閉院時間にほぼ合わせているため、日勤帯が夜遅くに終わることはありません。
キャリアや仕事の幅を広げられる
3つの理由があげられます。
様々な症例が生で勉強できる!
病院では、検査値や病気の経過、薬の使い方など、カルテを通して様々な症例を勉強することができます。これは、カルテが見られない薬局ではできないことです。
医師と処方のディスカッションができる!
病院では医師と薬剤師とが直接話すことができるため、積極的な処方ディスカッションが可能です。薬局では、忙しいなか医師と直接じっくり話すことは時間的に無理。さらに、病院に問い合わせても他職種が要件を聞いて、間を取り次ぐことがほとんどだと思います。
医療チームに参加できる!
NST、褥瘡、糖尿病、腎臓、ICT、緩和医療、がん化学療法など、病院には医療チームが組まれており、他職種と協力して働ける機会がたくさんあります。
専門性を高めることができる
病棟に配属された場合には、専門的な疾患とその治療法、薬の使い方を学ぶことができ、自身の専門性を高めることも可能です。
自身のやる気次第で、勉強したその先に認定薬剤師や専門薬剤師への道を切り開くこともできます。
病棟って忙しそうなイメージだし、わたしにもできるのかな!?
わたしの経験から、ママでも病棟を受け持つことは可能だと思います。
急性期病棟の場合、処方の頻度が高く、患者の入れ替わりが激しい分、大変さが増します。特に薬を使って治療するのがメインの内科はその傾向が強いです。一方、下記に記載の病棟は比較的緩やかな時間を過ごすことができます。
- 回復期リハビリ病棟
- 地域包括ケア病棟
- 療養型病棟
- 整形外科病棟
まずは病棟の雰囲気に慣れてみたい、ゆったりした病棟活動をしたい方は上記4つの病棟をオススメします。
わたしは長年整形外科病棟を担当。薬剤師は抗血小板薬や抗凝固薬などの休薬やオペ後の再開に注意します。オペ後は特に問題ない限り大きな薬の変化はありません。
自身の体調不良があればすぐに診察してもらえる
子どもがいると、時間的に受診する余裕がなかったり、子どもを連れての受診が大変で、なかなか受診のハードルが高いですよね。しかし、職場が病院であれば、勤務中に診察してもらえることがあります。
院内保育園が併設されている病院がある
特に保活激戦区に住んでいるママは、院内保育園の利用は選択肢の一つになります。
病院勤務のデメリットと解決策
不規則な勤務になる可能性がある
夜勤問題
病院の勤務形態により異なりますが、24時間救急を受け入れている病院の場合、薬剤師の夜勤が発生することがあります。
解決策
夜間は薬剤師不在で対応している病院があります。夜勤は避けたいというママは、夜勤なしの病院を選びましょう。
土日祝の出勤問題
土日祝の出勤が求められる病院があります。
解決策
私の場合、子どもを保育園に預けられない土曜日の出勤がありましたが、夫に子どもを任せて仕事に出ていました。これは、家族の協力が必要な話ですね。それが難しい場合には、出勤する日を選べるパートや土日祝の出勤がない病院を選ぶといいでしょう。
薬剤師の平均年収に比べ給与は低い傾向
給与低め問題
一般的な薬剤師の給与と比べ、病院薬剤師は低い傾向です。
解決策
経歴や経験を考慮し給与を算出してくれる可能性は大いにあります。あなたのキャリアを評価してくれる病院はきっとあるはず。
昇進までに時間を要する
昇進が遅い問題
薬局の場合、薬剤師1〜2年目の若手クラスで薬局長になるなど、昇進スピードが早いです。病院の場合、薬局ほどのスピード感はない印象です。
解決策
薬局長クラスの募集や薬剤師の人数が少ない病院を狙えば、昇進しやすいと思います。しかし、管理者や責任のある職につきたくないと考えているママにとっては、逆に朗報ではないでしょうか。
なぜ私が病院勤務を続けるのか
下記の条件のため、体力面、精神面ともに無理なく働いています。また、シフトを調整すれば、家族と休みを合わせることが可能です。
- 日勤帯(8:45〜17:15)のみの働き方
- 子育てに理解のある職場である
- 日・祝の出勤なし
- わたしの残業時間は月に1〜2時間
休みの日は子どもと遊んで過ごすなど、家族との時間を確保することができています。
「家族と過ごすこと」と「給与、昇進」を天秤にかけたときに、「家族と過ごすこと」>「給与、昇進」になりました。
どれに重きを置くかになりますが、私にとって病院勤務のほうが理にかなった働き方になりました。
病院未経験でも病院勤務は可能
薬局しか経験してないけど、病院勤務できるのかな?
基本的な薬剤師業務ができていれば、病院勤務は可能です。
薬局ではあまり取り扱うことない注射薬については勉強が必要です。注射セットを組んだり、注射処方せんに目を通して慣れておけば、理解できるようになりますよ。
勤務のある1日に密着
勤務のある朝から夜までのわたしの1日をご紹介します。
- 食事づくり
- 自身の朝食をとる
- 子どもの準備
- 退院患者のお薬を渡しにいく
- 薬剤師不在時に入院した患者の情報収集
- 持参薬の鑑別報告
- 処方せん調剤
- 配薬
- 入院患者の情報収集や処方チェック
- 処方せん調剤
- 緊急で入院した患者の対応をする
- 記録業務
- 夕飯づくり
- 子どもと一緒に夕飯をとる
- 子どもをお風呂に入れる
- 子どもの寝かしつけ
- 洗濯
朝は夫と協力して家事・育児をこなしますが、夜は夫の帰宅が遅いため、ほぼワンオペで頑張っています!
毎日買い物する時間はないため、週1回まとめてネットスーパーで買い物しています。掃除はお掃除ロボットにすべてお任せ!
病院勤務でもワークライフバランスとキャリアは両立可能
ワークライフバランスとキャリアを両立できる病院であれば、わたしはママ薬剤師のみなさんに病院勤務をオススメします。
薬局の不規則な勤務で毎日くたくたなママ。病院薬剤師に挑戦してみたいママへ。
やがてくる薬剤師過剰時代への対策として、ワークライフバランスをとりながら、キャリアを積み重ねられる働き方に変えてみましょう。
他の薬剤師に差をつけないと、生き残れない時代になるかもしれません。それまでにご自身の実力をつけておきましょう。
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