
うちの子、頭の形がゆがんでるかも・・・
子どもの成長を見守る中で、そんな不安を感じたことはありませんか?
我が家も子どもが生後2か月のとき、頭のゆがみに気付きました。自然に治るかと思い、様子を見ていましたが、なかなか改善しません。調べたところ、頭の形の改善にヘルメット治療が役立つことがわかり、ヘルメット治療を開始しました。
うれしいことに、ヘルメット治療終了後、頭の形に改善がみられました。本記事では、ヘルメット治療によるデータの変化、費用やスケジュールについて、わかりやすく解説します。



この記事は次のような人におすすめ!
・ヘルメット治療について知りたい人
・ヘルメット治療をするかどうか迷っている人
治療を受けたクリニックは「0歳からの頭のかたちクリニック」
クリニックの簡単な概要
赤ちゃんの頭のゆがみを専門とするクリニックです。主な特徴としては、3Dスキャンを使った精密な測定、乳児頭蓋変形を扱う医師による丁寧なカウンセリング、完全予約制が挙げられます。
複数の院を運営しており、東京日本橋、表参道神宮前、関西、福岡の4か所に拠点を持ちます。
クリニックで取り扱っているヘルメットの種類
0歳からの頭のかたちクリニックでは、ジャパンメディカルカンパニー製の「クルム」「クルムフィット」という2種類のヘルメットを取り扱っています。いずれも赤ちゃんの頭の形を改善するために設計された医療用のヘルメットです。
治療開始に適した月齢と治療期間
治療開始に適した月齢は、頭の成長が大きい生後3ヶ月~8ヶ月が基本です。しかし、重症度や成長の程度により、8ヶ月以降でも治療可能なケースがあり、最終的に医師が治療適応を診断します。
治療期間は、3~5ヶ月で、長くて6か月です。治療の進み具合を見ながら、終了時期を検討します。
ヘルメット治療のスケジュール
0歳からの頭のかたちクリニックで受けたヘルメット治療の流れをまとめました。
頭のゆがみが病的でないかどうかを鑑別診断します。病的でないものであれば、0歳からの頭のかたちクリニックで治療可能です。
3Dスキャンで計測することにより、頭のゆがみを分類し、重症度を診断します。
3Dスキャンデータをもとに、オーダーメイドでヘルメットを作成します。
2回目の診察は、2週間後です。完成したヘルメットを初めて装着し、装着感を確認します。
治療効果は頭の成長程度と装着時間に依存し、入浴以外の長時間装着します。特に頭が圧迫される夜間や昼寝時での装着が重要です。
受診頻度は、約1か月ごとです。装着状況、皮膚トラブルの有無、3Dスキャンデータ解析による改善度を確認し、クッションの貼り換え・調整を行います。
ヘルメット治療にかかる費用
病的なゆがみを対象とする治療でないため、健康保険適用外です。つまり、全額自己負担となります。
「0歳からの頭のかたちクリニック」治療総額
60,5000円(550,000円+消費税55,000円)
この内訳は、ヘルメット設計・購入費用、再診料、クッション貼り換え等の加工調整費用となります。
治療総額とは別に初診料5,500円が必要です。また、月1回の診察以外にスペアクッション、貼り換えを希望する場合、その都度負担が発生します。スペアクッションのみの場合は、3,000円+消費税、貼り換えを依頼する場合は、6,000円+消費税です。
ヘルメット治療によるデータの変化
ヘルメット治療の結果を判断する指標は、短頭率、斜頭率、CI、CVAI、CAです。それぞれのデータの変化について、見ていきましょう。
我が子の状況
結果を見ていただく前に、我が子の状況についてまとめておきます。




- 変形の種類:斜頭症(頭部の片側が斜めに平らな状態)、短頭症(絶壁)
- 治療開始月齢:生後9か月
- 治療期間:約5ヶ月
- 使用したヘルメットの種類:頭蓋形状矯正ヘルメット「クルム」
短頭率はどう変化した?
短頭率は、絶壁の指標です。
計算方法
短頭率 = 前後径 ÷ 横径 で計算します。
たとえば、前後径が140mm、横径135mmだとすると、140÷135=1.04となります。


重症度(クラス分類)
クルムの添付文書に記載されている重症度(クラス分類)です。数値が低いほど、絶壁の程度が強いといえます。
重症度 | 短頭率 |
軽度(1) | 1.0~1.2 |
中程度(2) | 0.9~1.0 |
重度(3) | 0.8~0.9 |
超重度(4) | 0.8以下 |
結果
1.04(軽度)から1.06(軽度)へ変化しました。
斜頭率はどう変化した?
斜頭率は、左右の頭の形のバランスを示す指標です。
計算方法
左右のうち、体積が大きい方を100%とし、もう片方の体積がどのくらいかをパーセンテージで表します。たとえば、左側の体積が100%、右側の体積が90%だった場合、左右の体積比率は90%になります。この計算を前頭部と後頭部に分けて行い、それぞれの対称性を確認します。


重症度(クラス分類)
クルムの添付文書に記載されている重症度(クラス分類)です。数値が低いほど、左右の非対称性が大きいといえます。
重症度(クラス分類) | 斜頭率(%) |
軽度(1) | 90%以上 |
中程度(2) | 85~90% |
重度(3) | 80~85% |
超重度(4) | 80%以下 |
結果
前頭部は92.3%(軽度)から93.8%(軽度)へ、後頭部は84.2%(重度)から86.6%(中程度)へ変化しました。
CIはどう変化した?
CIは、絶壁の指標です。
計算方法
CI(%)= (横径÷前後径)× 100 で計算します。
たとえば、前後径が140mm、横径135mmだとすると、(135÷140)× 100 = 97 となります。
重症度
ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメットやベビーバンドなどのヘルメットの添付文書には、CIの重症度基準が記載されています。クルムの添付文書には記載されていませんが、参考としてCIの重症度も確認していきます。数値が高いほど、絶壁の傾向が強いといえます。
重症度分類 | CI(%) |
正常 | 80以上94未満 |
軽症 | 94以上 |
中等症 | ー |
重症 | 101以上 |
最重症 | ー |
結果
97%(軽症)から95%(軽症)へ変化しました。
CVAIとCAはどう変化した?
CVAIとCAは、斜頭の指標です。
計算方法
頭の中心線から30度傾けた対角線A、Bの長さ(B>A)を用います。たとえば、対角線Aは150mm、対角線Bは160mmとします。
- CVAI(%)=(対角線B-対角線A)× 100 / 対角線A →数値を当てはめると、(160-150)× 100 / 150 = 6.67
- CA(mm)= 対角線B-対角線A →数値を当てはめると、160-150=10


重症度
ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメットやベビーバンドなどのヘルメットの添付文書には、CVAIやCAといった共通の重症度基準が記載されています。クルムの添付文書には記載されていませんが、参考としてCVAIやCAの重症度も確認していきます。いずれも数値が高いほど、斜頭の程度が大きいといえます。
重症度分類 | CVAI(%) | CA(mm) |
正常 | 5未満 | 6未満 |
軽症 | 5以上7未満 | 6以上9未満 |
中等症 | 7以上10未満 | 9以上13未満 |
重症 | 10以上14未満 | 13以上17未満 |
最重症 | 14以上 | 17以上 |
結果
CVAIは8.5%(中等症)から6.4%(軽症)へ、CAは12.7mm(中等症)から9.7mm(中等症)へ変化しました。
結果まとめ:頭の形に改善が見られました
一部の重症度に変化がないものもありますが、全体的にデータは良い方向に向かっています。この結果を受けて、ヘルメット治療が頭の形の改善に役立つことを実感しました。
指標 | 治療開始前 | 治療開始後 |
短頭率 | 1.04(軽度) | 1.06(軽度) |
前頭部の斜頭率 | 92.3%(軽度) | 93.8%(軽度) |
後頭部の斜頭率 | 84.2%(重度) | 86.6%(中程度) |
CI | 97%(軽症) | 95%(軽症) |
CVAI | 8.5%(中等症) | 6.4%(軽症) |
CA | 12.7mm(中等症) | 9.7mm(中等症) |
3Dスキャン画像のビフォーアフター公開
3Dスキャン画像のビフォーアフターを示します。特に後頭部の左右非対称や絶壁が改善していることがわかります。




まとめ
- 治療開始月齢:生後3ヶ月~8ヶ月が基本
- 治療期間:3~5ヶ月で、長くて6か月
- 治療スケジュール:
初回診察→3Dスキャンによる頭部の計測→ヘルメット作成→2回目診察→装着開始→1か月ごとの定期受診 - 治療にかかる費用:605,000円+初診料など
- 我が子がヘルメット治療(クルム)を受けた結果:全体的にデータは改善傾向
本記事では、ヘルメット治療によるデータの変化、費用やスケジュールについて、お伝えしました。治療を始める前に、費用やスケジュールなどしっかり把握し、必要な準備を整えることが大切です。子どもの頭の形が気になる場合は、早めに専門医に相談し、最適な治療方法を選ぶことをおすすめします。
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