派遣薬剤師って、どんな働き方なんだろう?自分に合った働き方ができるかな?
あなたも派遣薬剤師という働き方に興味がありませんか?高時給だけど不安定…なんていうイメージを持っている方がいるでしょう。
そこで、この記事では以下の内容についてまとめています。
- 派遣薬剤師のメリット・デメリット
- 派遣薬剤師として成功するための5つのポイント
- 派遣薬剤師として働いた体験談
派遣薬剤師として薬局、病院どちらでも働いたことがあるママ薬剤師のわたしが、みなさまに派遣薬剤師の働き方についてご紹介いたします。
薬剤師&保育士ママの知恵ノート
管理人はるです!
この記事を読んで、「自分が派遣薬剤師に向いているか?」「派遣薬剤師が魅力的に思えるか?」を確認してみましょう。
派遣薬剤師ってどんな働き方?
派遣会社に登録している薬剤師が、薬局や病院に派遣され働くスタイル。そのため、雇用主は派遣会社となり、契約期間が決められています。そのため、短期間で勤務先が変わっていく可能性も。
雇用主 | 派遣会社 |
勤務先 | 薬局や病院などの派遣先 |
契約期間 | 有期契約(時間単位、日単位、週単位、月単位など案件によってさまざま) |
契約期間が決められているから、なんだか不安定な働き方だなあ。
不安定に感じる人がいれば、一方で、魅力的に感じる人もいることでしょう。
次に、派遣薬剤師のメリットやデメリットについてお話します。
派遣薬剤師のメリット
今からご説明するメリットが魅力的にうつった人には、派遣薬剤師をオススメします。
働き方を柔軟に選べる
- 働きたい日や時間に合わせて働ける!
例えば
午前中のみ働くスタイル。午後は育児や家事に専念できますね。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
AM | 仕事 | 仕事 | 仕事 | 仕事 | 仕事 | 休み | 休み |
PM | 休み | 休み | 休み | 休み | 休み | 休み | 休み |
子どもの帰りが比較的早い、小学校低学年や幼稚園に通っているご家庭にとって、都合がよい働き方だと思います。
- 契約期間は、短期間から選べる!
例えば
旦那さまが転勤族のご家庭の場合、短期間で働けることは逆にメリットに。
ワークライフバランスの充実
- 勤務日や勤務時間を選ぶことができるため、プライベートと仕事のバランスがとりやすい!
例えば
家族や趣味の時間をしっかり確保したい人にピッタリの働き方。
派遣先を選べる
- ご自身の意志で派遣先を自由に選ぶことができる!
例えば
自宅近く、旅行先など、選択肢が広がる。
派遣先の環境が合わなければ、契約終了後、別の派遣先に変更できる。
多様な派遣先で経験が積める
- 一ヶ所にとどまらず、薬局、病院と、さまざまな派遣先で働くことができる!
さらにメリット
薬局か病院、どちらの職場が自分に合っているか確認できる。
薬剤師のスキルや経験をさらに積み上げることができる。
お時給が高い
- 正社員やパートに比べ、高時給!
さらにメリット
特に急募案件は、元のお時給より上がることも。
派遣を決める際に家族背景は考慮されない
- ママ薬剤師も派遣可能!
その理由とは
わたしが派遣会社に聞いたところ、派遣先は派遣薬剤師の経歴を知ることはできますが、家族背景などプライベートな事項は詳しく知ることはできません。子どもがいると、採用面接すら受けられないことがありますが、派遣であれば、その心配はありません。
その証拠に、わたしは妊婦のときや0歳児の子どもを抱えているときに派遣されたことがあります。
派遣薬剤師のデメリット
雇用が不安定
契約期間が定められているため、期間終了とともに次の派遣先を探さねばなりません。働き方を柔軟に選べる一方で、不安定な側面もあります。
福利厚生の適用や社会保険加入が不安定
派遣会社によって、契約期間が長いなど一定の条件を満たせば、福利厚生の適用や社会保険に加入できることもあります。しかし、正社員並の充実性は期待できないかも。
即戦力や柔軟性が求められる
派遣先毎の調剤規約やルールに対応するため、素早く柔軟に対応できる能力が求められます。また、派遣先が変わるたびに人間関係を再構築しなければならず、それが面倒と感じる人もいるでしょう。
昇進は難しい
正社員は昇進が見込めますが、派遣薬剤師が地位を築くのは難しいです。
保育園に在籍できなくなる可能性がある
契約終了後、期限までに次の派遣先が見つからない場合、保育園を退園しなければならないことがあります。お子さまをご家族に預けられないママにとっては、痛い問題でしょう。
不安定なのが気がかり…どうしたらこのデメリットが改善できるんだろう?
長期契約を結むびたいあなたは、派遣先から必要とされる薬剤師になれるようにしましょう。
次に派遣薬剤師として成功するためのポイントをお話します。
派遣薬剤師として成功するための5つのポイント
素早く、柔軟な対応ができる
新しい環境に素早く柔軟に対応できるような能力をつけましょう。派遣先では、即戦力が求められています。
- どうしたらその能力が磨ける?
-
基本的な調剤業務ができていることを前提に、わたしが実践した3つのことをお話します!
疑問点があれば、放っておくことはせず、即質問することで解決していました。派遣先のスタッフの方とコミュニケーションをとることで、印象もよくなりますよ。
自己研鑽に励む
さまざまな派遣先で働くことを念頭に、幅広い知識やスキルを習得しておきましょう。
- どうやって知識を取り入れる?
-
わたしは、市販の医薬品集を購入して、幅広く薬の知識を習得するように努めました。また、病気を理解することで、薬理作用も一緒に理解していきました。
時間や金銭的に余裕があれば、薬剤師向けの生涯学習講座を活用するのも手。
派遣先の応需科目がわかれば、その科目を集中的に学習しましょう。
- どうやってスキルを磨く?
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派遣薬剤師に求められるスキルは、調剤技術、対人スキル、ITスキルとわたしは考えます。スキルは1日で磨けるものではなく、ちょっとした心がけや日々の積み重ねの賜物になります。
調剤は正確性が求められます。わたしは、「焦らない」「確認を怠らない」「思いこまない」の3つの「ない」を心がけるようにしました。
良好な関係を築く
実績を積み上げて、派遣先や雇用主の信頼を勝ち取り、良好な関係を築きましょう。契約期間延長や新たな派遣先の紹介に繋がります。
- どのようにして良好な関係を築く?
-
社会人として求められるマナーは身につけるべき。さらに、わたしは、関係する方たちとのコミュニケーションを積極的に行うようにしていました。
キャリアの計画を立てる
契約期間が定められていることから、キャリアの計画を立てましょう。
- 具体的にどんな計画をたてる?
-
次にどんな勤務先で働きたいのか、そこでどんな経験を得たいのか、計画を立てること。また、派遣先候補の情報収集をしましょう。
自分の強みをアピールできる
自分の強みが何かを把握し、派遣先にどんな価値を提供できるのかを明確にしましょう。
- 例えば、どんな強みがある?
-
整形外科領域に明るい、子どもの対応ができるなど、あるジャンルやスキルに特化していることをアピールできるといいでしょう。
はる病院派遣の場合、病院薬剤師の経験者は優先される傾向にあります。
派遣薬剤師として働いた体験談
医療モールの門前薬局に派遣されたときの概要
処方せん枚数 | 105枚 / 日 |
スタッフ | 薬剤師4名、事務2名 |
応需科目 | 耳鼻咽喉科、精神科、皮膚科、内科 |
業務内容 | 服薬指導、記録 |
派遣期間 | 1日 |
勤務時間 | 9:00~18:00(休憩60分) |
お時給 | ¥2,500+交通費 |
派遣依頼の経緯 | もともと長期契約で派遣されている薬剤師が予定休みであったため、その穴埋め要員。 |
派遣に応募した理由 | これまでに正社員しか経験がなく、派遣薬剤師を体験したかったため。 |
派遣されたときのわたし | 妊娠中期の身で、夫と2人家族 |
医療モールの門前薬局に派遣されてどうだった?
感想
- 初見の処方せんの内容に戸惑い、わからないときはその都度、自前の医薬品集を使って調べました。そのため、業務スピードが遅く、忙しい時間帯の薬局に貢献できたかは怪しいと感じます。
- 初めて使うレセコンにも戸惑い、操作を十分に理解できず、不安になることが多かった1日でした。
反省
- 初見の処方せんに対応するためには、より多くの知識が必要と感じました。
- レセコンに慣れず理解できないのは、単発派遣のため仕方ないこと。不明点は、すぐに解決できるように心がけたい。
急性期病院に派遣されたときの概要
病床数 | 600床 |
薬剤部のスタッフ | 薬剤師40名、助手などその他スタッフ15名 |
応需科目 | 内科、小児科、精神科、整形外科、産婦人科、泌尿器科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、外科、歯科、眼科など |
業務内容 | 入院・外来調剤、入院前の面談業務(入院予定の患者さんに対して常備薬の確認、休薬すべき薬の確認など)、電話対応(主に調剤薬局からの疑義照会対応) |
派遣期間 | 2か月(平日のみ勤務) |
お休み | 土、日、祝日 |
勤務時間 | 8:15~17:00(休憩45分) |
お時給 | ¥2,400+交通費 |
派遣依頼の経緯 | 産休代替で派遣薬剤師を募集。最低でも二ヶ月の派遣で、双方合意が得られればさらなる延長が可能。1年以上長期派遣されている同僚薬剤師がいた。 |
派遣に応募した理由 | 正社員として入職予定であったが、それまでの繋ぎとして応募。育児と仕事が両立できるのか確認をしたかったことも理由の一つ。 |
派遣されたときのわたし | 生後6か月の子ども、夫との3人家族 |
急性期病院に派遣されてどうだった?
感想
- 主に調剤メインであったため、調剤内規やルールを覚えてしまえば、すぐに対応できました。そのため、調剤薬局しか経験していない薬剤師でも派遣可能であると感じました。
- 入院前の面談業務は、派遣薬剤師が主に担当しており、マニュアルを整備してくださったようです。そのため、難しく感じることはなく、マニュアルどうりに行えば全く問題ありませんでした。
- 薬局ほどスピード感を求められることはなかったため、全体的に落ち着いて仕事ができ、精神的に楽でした。
反省
- 業務上、反省すべき点は特にありません。派遣先の上司や派遣会社スタッフとのコミュニケーションがしっかりとれていたことが大きな要因かと思います。
- 子どもの体調不良でお休みすることが数日間続いたため、派遣先と派遣会社スタッフにはとても申し訳なかったと思っています。しかし、子育てに理解のある方々であったため、非常に救われました。
派遣薬剤師を考えている方へ、わたしからメッセージ
まとめると、派遣薬剤師はこんな人にオススメ
豊富な知識やスキルがあり、一定の職場に縛られたくない、自由な働き方がしたいという方にはうってつけ。また、定職に着くまでの繋ぎで働く薬剤師もおり、派遣という期間をうまく使うことで、経済面やワークライフバランスを充実させることができます。
最後にアドバイス
派遣薬剤師のメリットとデメリットがご理解いただけたでしょうか。理解されたうえで、派遣薬剤師になりたいと感じたら、この記事内でご紹介した「派遣薬剤師として成功するための5つのポイント」を実践してみましょう。
信頼され、必要とされる薬剤師になることが重要ですよ!
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